こちらの記事に、「渋谷系 から電波ソング が受けた影響や類似性」があって非常に面白いです。私の記事も引用して頂いていて嬉しいです。
epocalcgarage.hatenablog.com
ということで、君は天然色 の記事では軽く触れたくらいだったが、今回はいかにして大滝詠一 的価値観が電波ソング に入り込んでいるかを詳しく見ていきたいと思う。
こんなタイトルだけれど、僕の現時点での日本サブカル ポピュラー音楽史 観のまとめ記事でもあるよん。
Reddit にも共有してみました。
A history of how Denpa songs have been influenced by Shibuya-kei : denpa
私自身、アニクラ などでDJをする際にNeko Mimi Mode を使いこなせていなかったので参考にして調べてみます!
ただ、友達と話していていくつか気になった点もあったので、後で調べるためにメモしておきます。いろいろ疑わしいことが書かれていると思うので、詳しい方がいたらコメントください。
渋谷系 は本当に電波ソング に大きな影響を与えたのか?
根拠として挙げられているのがこの2点です。
電波ソング の代表的な楽曲の一つであるNeko Mimi Mode が渋谷系 から影響を受けており、また作曲者のDimitri from Paris を経由してフレンチテクノは渋谷系 の影響下にある
電波ソング にも大きな影響を与えたYMO が、渋谷系 に大きな影響を与えた
実は作曲者のディミトリ氏は非常に渋谷系 との相互影響が強く、いわゆるカーディガンズ のように国内で渋谷系 リスナーに受容され、本人も渋谷系 アーティストを意識している。
また、彼の影響によりフレンチテクノはその後も後期渋谷系 の影響下にあるとも言われ、Daft Punk にその類似性を指摘する声もある。
このあたりの話、全然知らなかったので嬉しいです。たしかにアキシブ系 のアーティストにも挙げられてました。
ja.wikipedia.org
ただ、Neko Mimi Mode は電波ソング と呼ばれている楽曲の中でもかなり異彩を放っていて、影響を受けた曲やアーティストは案外少ないと思っています(単なる感覚値ですが…)
www.nicovideo.jp
あべにゅうぷろじぇくと の『生意気☆いちごミルクDAYO!!』など、(おそらくNeko Mimi Mode からインスパイアされて)一部ボイストラック的な楽曲はありますが、主流ではないと思います。
VIDEO www.youtube.com
YMO の影響について
個人的には渋谷系 経由ではなく、テクノポップ 経由でYMO の影響があるんじゃないかと思っています。2007年に彼らの音楽がニコニコ動画でヒットして以降 、過度に音を詰め込んだ、現在あるような「電波ソング 」のイメージが確立されました(と私は考えています)。
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彼らはテクノポップ やニューウェーブ の影響が強く、YMO の影響を受けているのはそこからのほうが大きかったんじゃないかと思います。少し系譜を戻ると、細江慎治 さんなどのゲーム音楽 のクリエイターがいます。畑亜貴 さんのバンドなどとも近い関係で活動していたようです(が、あまり私も追えていません)。以下にある通り、細江慎治 さんはYMO から強い影響を受けています。
本業のゲームミュージック 作曲の傍ら、1992年にインディーズレーベル「トルバドールレコード」を相原隆行 らと設立。テクノポップ バンド「まにきゅあ団」やYMO のパロディバンド「OMY」、初期のリッジレーサー シリーズのサウンド を手がけてきたメンバーによるユニット「Sampling Masters」、民安ともえ らとのユニット「テクノライダー」等のバンド活動も行っている。さらにイベントなどではテクノDJとしても活躍している。
VIDEO www.youtube.com
つまり、「電波ソング は、ゲーム音楽 バンドのクリエイター経由または直接的にYMO の影響を受けた」度合いのほうが大きいと考えられるので、むしろ渋谷系 と兄弟のような関係なんじゃないでしょうか?ただテクノポップ と渋谷系 も相互に影響を与えあっていたそうなので、その点では影響を受けていたとは思いますが。
ただ、「奇異ではあるが耳に残る効果音や合いの手、掛け声」の原点であるI've Soundの電波ソング は、ハロープロジェクト のパロディとして作られていたらしく、そちら経由などの別ルートで渋谷系 の影響はあるのかもしれません。
高瀬氏「いやー、思い入れはありますよ。いろいろ苦労もしましたし。今でこそ、ファンの皆さまからご好評いただいているI'veの「ソレ系」ソングですが、『恋愛CHU!』が最初の電波系なんですよね。クライアントであるサガプラネッツさんから、『恋愛CHU!』のサンプルとしていただいたのが実はミニ●ニでして(笑)。中沢(※6)と一緒に聴いたんですが、こりゃ俺にはできないわ! って中沢に振っちゃったんです。それで、曲が上がってきて、KOTOKO ちゃんが詞をつけてみたら……なんかチュッチュチュッチュとか間奏にセリフとか。呆然としました」
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友達によると、ハロプロ も渋谷系 から影響を受けていたそうです。時系列は前後しますが、これはかなり渋谷系 っぽいです。
VIDEO www.youtube.com
個人的には電波ソング は、音楽ジャンルとしては「ゲーム音楽 のクリエイターがテクノポップ やニューウェーブ を作っていた」血統があって、そこに「I've SoundのSHORT CIRCUIT の作品群によってJ-POPのパロディとして過度なポップさや合いの手(UNDER 17も位置づけとしてはここ?)」が取り込まれ、「MOSAIC.WAV やIOSYS が音を過激に盛って」確立したジャンルだと思っています。これは何を主流と見るかで意見が分かれそうですが。
現在のシティポップブームは日本と海外で別個に始まったのではないか?
ちなみに現在流行中のシティポップだが、あれはFuture FunkというVaporwaveとフレンチテクノの合いの子が頻繁にサンプリングしたことに端を発し、さらにさらにVaporwaveも後期渋谷系 の影響があると言われる。
すなわち、元を遡りまくれば大滝詠一 がいなければ今のシティポップブームはまずない。
もしこれが「日本で流行っている」という意味なら、「海外で流行り始めたFuture FunkやVaporwaveとはあまり関係なく生まれたもので、むしろ日本のシティポップブームのほうが先」のようです(って友達が言ってました)。
現在流行中のシティポップは一般的にはsuchmos , ぬるばりっち(スペル忘れた)とか
suchmos はちゃうか。sirupとか
www.arban-mag.com
その辺りの人が山下達郎 とか細野晴臣 とか大滝詠一 を影響受けた人に上げてるから、そのリバイバル と言えるだろうね。
その記事にも書いてあるけど、アシッドジャズも混ざってるよね
竹内まりやのPlastic LoveがYouTubeを介して再評価されたのは2017~2018年頃だった だし、これらのバンドはそれ以前から活動しているので、たしかに日本と海外のシティポップの盛り上がりは別物なんじゃないかと思われます。あーでもSAINT PEPSIの作品 は2012年なのか、これちゃんと調べないと分からんな。
後続のアーティストやレーベルが現れる中、2012年末にSAINT PEPSI が発表した『EMPIRE BUILDING』や『Hit Vibes』などのディスコ・ファンクに傾倒した作品は衝撃を呼び、フューチャーファンク・ヴェイパーブギといったサブジ ャンルへと派生することになった
結論
影響元や歴史を探ろうとするとスパゲッティみたいで分からん。誰か一緒に調べてください。