だいぶ前のことなんですが、Djentという音楽ジャンルのポータルサイト"got-djent.com"で
A map of djent: fourth editionが発表されています。
ポータルサイト登録者の行動を基にバンドの関連性ネットワークを作ってみたものらしいです。
ネットワークを見るといくつかのサブジャンルに分かれていたり、シーンの立役者Meshuggahが独特な位置にあることなどがわかります。
マップについては畳色さんのブログの解説が詳しいので置いといて、ネット上のコミュニティにの話題にします。
(畳色さんの記事はとてもわかりやすく邦訳&解説しているので必見です)
とりあえずはこのDjentというジャンル(?)を説明しなければならないでしょう。
厳密な意味を捉えるのは難しいのですが、DjentとはMeshuggahの影響を(直接的・間接的に)受けた独特なディストーションを用いたギターサウンドを指すようです。
参考としてシーンの代表的なバンドPeripheryの音源を貼っておきます。
Periphery - Letter Experiment (music video!)
そして、先ほどのポータルサイトgot-djent.comとともに盛り上がったという経緯があります。
Djentというシーンの変わらない凄さってひとつあって、「ネットとSNSが味方であり主戦場」という所。コアなファンがポータルサイトの登録メンバーとしてコミュニティを形成していて、今回のmapみたいに統計データとして機能しているのはDjentというシーンを象徴していると思う。
— 畳色 (@m0559reen) October 18, 2012
↑つまり言いたいことはコレですw
それから、他に似た盛り上がり方をしたジャンルを探していましたがありました。
それは電波ソングです。
電波ソングは元々2ちゃんねるのコミュニティによって定着した言葉です。
ニコニコ大百科によると"電波な歌詞でかつ驚異的な中毒性を有する楽曲一般を指す"とのこと。
(これまた定義が難しいジャンルなのですが)
その頃はSNSが一般的でなく、笑える電波ソングを集めるガイドラインという2chのスレで盛り上がっていたそうです。
※mixiの開設が2004年、笑える電波ソング~の最古の更新履歴が2003年です
今見ても主要なアーティストは全て抑えられており、「ココさえ見とけば電波ソングを網羅できる」くらいのサイトだった(と思います)。
ところが2008年以降更新が途絶えており、それから電波ソングにとって冬の時代が訪れました(多分)。
正確には素晴らしい曲はたくさんあるのですが、それらを網羅した情報が無い、という感じです。
(実際、私が電波ソングbotを作った時、複数のサイトを見て回ったり関連動画を調べたりする必要があり大変でした)
そこで私が考えるのは次の2点。
1)他のジャンルでもネット上のコミュニティを作れないか
2)その上で面白いデータ解析ができないか
まず、1)について
私は和風なロックが好きで歌謡ロックbotというアカウントも運営しています。
あまりにもまとまった情報がなく、"自分が"新しくアーティストを教えてもらうために作りました。
言葉自体はたまに見かけはするものの、おすすめのバンドや曲を教えてくれるサイトはありませんでした。
↑その頃の鬱憤を思い出してまとめてみましたw
ここにアクセスすればこのジャンルの人や情報が集まっている、というサイトが欲しかったんです。
(そして今でもそうです)
コミュニティ以前に、ホームページビルダーで作ったような公式サイトや、激重なMyspaceくらいしかやっておらず、ネット上の情報だけでは活動してるのかどうかも分からないインディーズバンドも多いです。
情報をまとめて共有することで、面白い文化ができるんじゃないかと思います。
たとえば銀幕一楼さんは"東京歌謡ロック最前線"という素晴らしいライブイベントを主催していましたが、関係者や各バンドの固定ファン以外に情報が外に回っていなかった気がします。
対してインターネット上の繋がりが密にできている電波ソング界隈では"電波はっ☆キュン でぃ☆Dreaming"という電波ソングDJ&ミニライブイベントがあります。
こちらはTwitterやmixiなどでも情報を流して気軽に参加できるよう工夫され、前回は100人以上の大盛況だったそうです。
Tweetviteというサービスで参加表明をすると特典がもらえちゃう、というおまけ付き。
次に2)について。
これは半分以上私の興味というだけなんですが…。
例えばgot-djentのマップはおそらくGephiやCytoscapeというネットワーク描画のソフトウェアを使って描かれています。
ポータルサイトのアカウント行動履歴から、"バンドのネットワーク"という面白い解析ができています。
これも以前なら人気投票のランキングくらいしか作れなかったデータだろうと思います。
もし今"笑える電波ソングを集めるガイドライン"のようなスレがあれば、いろいろな解析ができると思います。
例えばテキストマイニングの技術を使ってgot-djentと同様のネットワークを作ったり…。
2chのゆるゆり板を使って、共起グラフを書いてみた - gepuroの日記
↑イメージ的にはこんな感じですw
例えば電波ソングだったら合いの手系とか早口系とかネットワークから出せちゃうんじゃないかなーとか。
以上2点を踏まえて勉強&試行錯誤中です。
今のところデータ解析もWEBサイト構築もプログラミングも私には技術不足です。
とりあえず、このブログ見とけば情報がある程度揃ってる、ってくらいを目指して記事を更新中。
音楽botだと情報がまとまっていないので「あ、あのバンドなんだっけ?インドネシアの…」とかいうとき不便ですもんね。
現実は厳しいです。