会社にいる変わったヤツが感銘を受けていた本として挙げていたので読みました。
メルカリにも出したらすぐに売れてしまいました。紀伊國屋じんぶん大賞2020 読者と選ぶ人文書ベスト30としてピックアップされていたようですね。
https://item.mercari.com/jp/m54796752082/
特に「会計監査文化」って概念は面白いと感じました。
僕たち自身がいつもいつも会計の声を発している。僕らは日々、労働者や経営者としては生産性と効率性を追求し、消費者としてはコストパフォーマンスを計算している。みんなそうなのだ。
ストラザーンという人類学者は、そのような世界の在り方を「会計監査文化 audit culture」と呼んでいる。それは、ありとあらゆるものに会計係の監査が向けられる世界だ。大学も、病院も、中学校も、会社も、コミュニティセンターも、幼稚園も、ありとあらゆるところに会計の透明性が求められる。 あなたのいる場所もそうではないか?ボールペン1本買うのに理由が必要で、書類を作成しないといけない。コーヒーを常備するのにもエビデンスが求められ、より安いインスタントコーヒーではだめな理由を示さないといけない。PDCAサイクルとか、ポートフォリオとか、よくわからないカタカナ語は、つねに「それでいいのか?」と問いかけてくる。
『会計監査文化』の話も気になったのですが、これは邦訳は出てないみたいですね。
- 作者:Marilyn Strathern
- 出版社/メーカー: Routledge
- 発売日: 2000/07/13
- メディア: ペーパーバック