暫定の仮説
おそらく以下のような時系列でそれほど間違っていないはず。反証や資料があれば教えてください。
- 1997年にビジュアルノベル『雫』でオタク文化に「電波」という言葉が輸入される
- Leaf系コミュニティ(≒同人サークル)で「電波」と萌え系イラストが接近
- 90年代末~00年代初頭にエロゲー界で頭がおかしい曲が発表され始める(←なんで?)
- 少なくとも2000年には「電波ソング」という言葉が誕生して、ある程度広く使われていたようだ。カタギリーズの表記を見る限り、当初は明確に「電波ソング」じゃなくて表記ゆれしていた?
気になる点
- 当時頭がおかしい曲が流行ったのはなんで?(例: ぶるまー2000)
- そもそも元から変な曲が多かったのが後から輸入された「電波」とくっついたのか、それとも逆か?
- Leaf系コミュニティから派生していく過程。『雫』はシリアスな内容なので、バカゲーの曲と結びつくまでの過程を詳しく調べると面白そう
- バカゲーの歴史を調べる
- 当時のアダルトゲーム誌の読者コーナーを調べる → PUSH!!が休刊するので、エロゲー雑誌がどれくらい生き残ってるか軽く調べてみた - Parergon on and on
関連記事
こちらの調査の続きです。
調べた先など
Leafのビジュアルノベル『雫』
――なぜノベルで『雫』のようなゲームを?
高橋:当時、ノベルゲームといったらサスペンスかホラーしかなかったんです。それは単純に言うと、どんどんストーリーが明かされていくギミックみたいなもので。たしかにゲームの快楽としては、サスペンスやホラーが最も向いてたと思います。でも周囲を見るとそればかりしかないので「いい加減アドベンチャーゲームにも新しい風が欲しいな」と個人的にも考えていたんです。それに小さいリーフという会社が名前を売るためには、よそと違うことをやるしかないと思った。それで選んだのが電波系……というか当時の大槻ケンヂさんのテイストです。これは当時まだゲームの世界にはまったく入ってきてなかったんですね。だからやろうと。もうインパクトしか考えてなかったですね。
オタクの世界に「電波系」という言葉を持ち込んだのは『雫』でほぼ間違いないようです。発売日は1996年1月26日(DOS版)らしい。
もちろんPC-98晩年期の超人気作品ですが、実は発売前~発売当初はあまり注目されておらず、エロゲー情報誌の読者コーナーやパソコン通信の書き込みなどから尻上がりに人気を伸ばしていった作品だったりします。それだけ地力を持ってたって事なんでしょうね。
読者コーナーは追っても良いかも。
東雲さんの崩壊日記改 2000年10月30日の記事
この間の記事から若干遡ることができた。
@ こちらから噂の長崎みなみ嬢によるcomike.comショップのテーマソングが公開されているということなので聞いてみる。うむ、長崎さんの曲としてはわりとちゃんと分かって作ってるね。Ariesみたく無茶はしてない。その点は問題ないけど、それ以前に歌詞が死んでるのでなんとも。まあ集客用電波ソングとしてはいい出来ではないだろうか(苦笑 中毒性はあるよ。あ、でもとりあえず『ハートフルな歌詞をラブリーに歌い上げた萌えソングです。』という頭痛くなるような説明文は出来たら辞めてください(汗
ただ、この時点で特に説明無く「電波ソング」という言葉が使われている。
苺電波部
『雫』の翌年の早い段階から活動してますね。
1997年8月に発足。SilentSiren BBS でかわさきさんが「毒電波と苺電波って似てませんか」と言ったのが苺電波の始まり。その後、夏コミ前にゲームを作りたい人間を BBS で募集し、できあがったのが苺電波部。その後、紆余曲折を経て現在に至る。
リンク先はこちら。
ここからたどっていくと、なぜか同じドメインに谷山浩子のファンクラブサイトがw
某Leaf系WebBBSでごうちゃと遭遇した。Leafのリリースしているビジュアルノベルとそのファンは、なぜか浩子さんに惹かれることがあるようで『銀河通信』『約束』『真昼の光は嘘をつく』『海の時間』などが話題になっていた。
少なからず興味を持っていたので『眠れない夜のために…』を購入。以降、ごうちゃの電波を受信しつづけ、アルバムの購入、コンサートへ参加を始めた。
「電波」の語源について
「頭のおかしい」の意味の「電波」という言葉の起源の話は興味深いが、『雫』以降に興味があるので保留。一応メモ。
日記と駄文と私 Diary
いつものよーに、早番仕事が終わって、家に戻ってゴロゴロしていると
電波が何本か飛んできたんですわ
「CDR焼いといて~」とか
「CGI修正~」とか
「ローラーするーごーごー~」とか
うぎゅ~
カタギリーズの記載
知ってる人は知ってる、なぜか電波ソングについての情報がまとまっていた同人サークルの記事。インターネット・アーカイブで記録されているのは2002年からのようですね。
ただし、「ここんとこウチのwinampに入ってる萌え歌(主にエロゲ歌)」という表現で、当初は電波ソングという文言ではなかったようです。
漢日記 1999年8月
本当は「ん~?何のことかな,フフフ…」なんで以下略
背中は「毒電波受信中」です。これを着て街中を歩いてたら笑われました。<当たり前だ。
前者のセリフ、北斗の拳の「アミバ」ですね。一瞬雫の月島(兄)のセリフだと思ったけど違いました。
電波・お花畑板
2chのよくわからない板。ある意味平和。↑の記載を信じるなら1999年らしいし、『雫』以降で妥当だと思う。
1999年07月xx日 新設
1999年07月xx日 aisnetに移転
発足当時の内容は残ってなさそう。
1997年から1998年までのフランス出張日記
喜久子お姉ちゃん復帰なるも、中島さんはフランスの空の下。
大丈夫、私がイベントの内容を電波にして送っといたから。:-)
#ってそれわ毒電波。
君に届け毒電波。(いやすぎ)
1998年時点で書かれたかは不明ですが、「毒電波」というワードがけっこう初期に使われていた例。
ぶるまー2000への反応
ぶるまー2000、デモOP?しみじみ見てひっくり返る(^^;)。バックコーラスが豪嫌すぎ。いやだー、こんな連中の仲間になるのは嫌だー!的ダメさ加減(笑)。&連呼される「ブルマーの世界の秋葉原ブルマーズ」なる意味不明な歌詞内容。あっぱれなダメさかげん也。ゲーム自体の曲はかなり良いんで、これでゲームが面白ければ即買いなのだが、肝心のゲームがデモ見てる限りではダメダメ(これはマジにマイナス方向でダメダメ)なのが痛い。もう少しなんとかならんかなぁ。カードバトルとかにした方がまだましなんじゃないのかなぁ。
「電波ソング」という言葉は使われていない。