今私は小さな魚だけれど

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【本】『英語のソーシャルスキル』を読みました

簡単に言ってしまうと「英語の丁寧表現について解説した本」です。「日本語は敬語が発達している」という先入観があったのですが、英語も負けておらず、丁寧だと感じる言い方が違うようです。

英語圏の人間関係の文化の解説書」としても読めます。特に以下のような「GIVING DECISION CONTROL」という考え方は、私自身も英語圏出身の友達との会話で感じていて、改めて明文化されて解説されると目からうろこです。

鶴田 庸子・ロシター, ポール・クルトン, ティム 『英語のソーシャルスキル』

◆…英語社会では、客に最大の決定権を与えるのが最良のもてなしだと考えられることが多い。…英語社会では相手の気分や好みを尊重しないほうが失礼なのである。…この、決めつけることを嫌い、相手に決定権を与える(GIVING DECISION CONTROL)という考え方は、「もてなし」の場面だけでなく、英語社会のさまざまな場面で現われるものである。[1988:34-35]

あとは「年齢離れていても私的な関係上は対等に扱う」など、個人的にはそういう友達との関係で居心地良く感じていました。こういう「普段明文化されない文化を改めて解説する」という書き方は、以前読んだ「ソーシャルマジョリティ研究」に近いものを感じます。

◆人と人の間柄ということについて、英語社会と日本語社会では少々違っていることがある。日本語社会では教師と学生は、卒業後もその「教師と学生の間柄」を、上司と部下は、勤務時間外もその上下関係を保ち続けることが多い。そして、互いにいつも同じ呼び方で呼ぶ傾向がある。これに対し英語社会では、場面によって相手をどう呼ぶかを変える傾向がある。ということは、英語社会では、人と人との間柄は基本的には対等な「個人体個人」であり、仕事上の立場や社会的立場は固定的に不変のものではなく、場面に応じて使い分けられる役割に過ぎないという考え方が、日本社会に比べると強いと言える。[1988:12]

Twitterで検索すると類書情報がいろいろ出てきます。こちらもいろいろ読んでみます。