電波ソングファンのおっさんたちは未だに「でんぱ組.incは電波ソングか否か」を飲み会で議論し続けています。解散した後も消化しきれていません。
以前私はこの記事で「特に古いガイドラインから入ったようなファンはキャラクターソングに近い感覚を持っていることが多い。だから彼らの視点ではでんぱ組.incは電波ソングの影響を受けているが電波ソングではないんじゃないか」と主張してみました。
これはある人からはめちゃめちゃ褒められてもらって「やっぱりそうですよね。更にいうとIOSYSやMOSAIC.WAVのニコニコ動画の時代に一回変質していて、でんぱ組.incでまた一回変わってますよね」みたいな話で盛り上がって、更にこういうこと書きました。これは多分ARMさん解釈(はばかられソング)に近い話だと思います。
自分は(少なくとも表面的には)ラブソングだと思ってなくて、予想外のことをして冗談を言いまくって相手を茶化すようなものだと受け取ってます。
ところが、ある別の友人からは飲み会で「正直この主張は自分にはピンと来ない。電波ソングが時期によって変質したようには感じない」と言われました。その人からは
- かつてストレスでおかしくなりそうな時期に自分が急に変な行動を取ろうと考えているのに気づいて、「あ、これやばい」と正気に戻った経験がある。だから本来の意味の「電波」に操られる感覚がわかるし、(その人の受け取る)電波ソングは近い感覚があって「おかしいのは自分だけではない」って分かりある意味救われる。
- コミカルに、ある意味で病的にポジティブでエネルギーがもらえる。
でそこのおかしさに救われるというのです。
だからその人の視点ではモモーイやULTRA PRISM的な解釈(オタクのラブソングだ)では「萌え的なテーマのオタクともラブソングとは限らない」って感じるだろうし、ARMさん解釈(はばかられソング)はある意味当たってるけど「自分を狂気の側にいるような表現をしてない。当事者性がない」ことに不満を感じるんだろうなと思います。
CUTIE STREETの「かわいいだけじゃだめですか?」は、ある人からすると擬音も多いしかわいいし「電波ソングじゃん」って言う人も周囲では多いのですが、その人の基準では電波ソングとは思えないそうです。
妙なポジティブな「世界の主役はあ・た・し!」「根拠なんてあたしだけ」とも「でもカワイイ私は合格!」っていうある意味で躁的なエネルギーは無くて、「この基準で認められる電波ソングはいちいち他人に確認しない。根拠が自分の中で閉じている」という話になりました。
唐突なクライベイビーサクラ「愛がある…可愛さもある…しかし…自惚れがないでしょッッッ!!!」
この視点から見ると、初期の電波ソングからMOSAIC.WAV、そしてでんぱ組.incはきれいに一貫して繋がっていて解釈できると思います。もちろん当てはまらない曲もありそうですが。
──モモーイさんと小池雅也さんのユニット・UNDER17は、2000年代萌えソング界の伝説的な存在ですもんね。
相沢 この曲はパッと見かわいいエロゲとかギャルゲーのテーマソングっぽいんですけど、歌詞にはモモーイさんやもふくちゃんの伝えたいことがすごく詰まってるんです。だから初めて聴いたとき「わ、この曲は私たちが昔大好きだった電波ソングだ」と思った。電波ソングってかわいいだけじゃなく実は深い意味があったり、泣けるほど切なかったりするんですよね。
唐突なクライベイビーサクラ「君の手が温かい」

