今私は小さな魚だけれど

ちょっぴり非日常な音楽を紹介するブログです

電波ソングは脱力系キャラクターソングの一種という雑な説を提唱する(してない)

けっこう昔の話なんですが、IOSYSのARMさんが「電波ソングは"はばかられソング"だ」と言っていました。これは確かに一面を当てていると思います。

※直接ARMさんの発言が拾えなくてまろんさんので申し訳ないんですが🙏

ただ、そういう捉え方が一般的なのってニコニコ動画以降で、それ以前の電波ソングのリスナーは、もっとキャラクターソングに近い感覚を持ってるんじゃないかと感じることがありました。無理やり対比させると、ニコニコ動画っていうより90年代の声優ラジオの空気に近いというか…(※自分は世代的にちゃんと聞いたことがあるわけじゃないですが)。この2つの捉え方は「笑える電波ソング」の笑いの質が違っていて、もう少し脱力感やキャラ自体への愛着があり、多少の偏見を込めると多分16bitセンセーションが好きなタイプだと思います。

例えばこの間Hyperpopを聞いていたときに感じていたんですが、Hyperpopと比べてもっと萌えとか愛着に近い感覚を強く持っていて、人前で聞くのがはばかれるかどうかは「そういう曲もあるよね〜」くらいで本質だと思われてないんじゃないかと。

例えばこの間イベントで話題になったのが「だだもれ▼シークレットハート · 舘島虎徹(CV.楠木ともり)」で、なんか歌がうまいというよりキャラクター性や味があっていい感じです。たしかに会社で「どんな音楽聞くの?」って言われたときにこれを答えるのは憚られますが、アニメファンの間では「ふ〜ん、そういう曲が好きなんだね」くらいのニュアンスだと思います。

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また、他の曲を挙げてみると(いつの間にかHyperpopの先行アーティストと見なさられるようになったらしい)Kero Kero Bonitoとかいい感じの気の抜け具合で、これは初期の電波ソングファンは「電波ソング」と見なすと思うんですが、「はばかられソング」ではないんじゃないかと思います。

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で、ChatGPTにいろいろ意見を出してもらって、もう少し言語化してみました。

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ちょっと意見もありますが、感覚が近そうな部分を抜き出してみます。この部分はたしかにそうだと言えそう。十分に言語化もできてない気がするけど…。

1. キャッチーかつ“妙な”中毒性

電波ソング」は、(1) つい口ずさんでしまうような強いフック(1) つい口ずさんでしまうような強いフック と、(2) 一般的なポップソングとはズレた感覚(2) 一般的なポップソングとはズレた感覚 が共存している点に特徴があると言えます。

  • キャッチーさ はメロディやフレーズ、リズムの繰り返しなどで作られます。頭から離れなくなるような “脳内ループ” を誘発するような構造です。

  • 一方で “普通のキャラソンアイドルソングと違う” と感じさせる 妙なズレ は、歌詞やメロディ進行の意外性・語感・歌声のクセなどから生まれます。

この「キャッチーだけど、どこか可笑しく、ズレ感がある」要素こそが、聴き手に “この曲、ちょっと変だけどクセになる” という印象を与える最も大きな要因でしょう。

そしてもう一つ。これは「天然モノのほうがいい」と思ってそう。

2. “狙っている”あるいは“天然”の脱力感・キッチュ

電波ソング」という言葉が広がった初期には、必ずしも “露骨にエロい” とか “オタクネタをギッチギチに詰め込んだ” というよりも、ヘタウマや妙に舌足らずな歌声、ローファイ感、脱力感のあるアレンジなどによる “ゆるい独特の世界観” が評価されていました。「微妙に下手だけど味がある」「妙に頭に残る節回し」などは、その好例です。

  • 狙ってキッチュにしているタイプ
    例)同人音楽や一部のアイドル、VTuber楽曲などで、あえて歌い方を舌足らずにしたり、語尾に特徴的な言い回しを入れたりする。
  • 天然でゆるさが滲み出てしまったタイプ
    例)昔のアニメやキャラソンで歌手経験のない声優が歌った結果、素朴でちょっとズレた味わいが生まれたケース。

いずれも “普通の音楽とは違うゆるさ/ズレ” が魅力になっている点は共通しています。

この基準だと、例えば「でんぱ組.inc電波ソングじゃない!」ってことになりそうです。でも、多くのファンはもっと広くて、初期の脱力感(キャラクターソング)感あるのも好きそうだし、でんぱ組も好きだし、はばかられソングも聞いてはいそうだしでもう少し広い感覚で聞いてる人も多そうではあります。(たとえばDENPA NO SEKAIとかはそうだし、自分もそうか)

最後に「XXは〇〇が本質だ!」っていうのはどこにも向かわない議論にもなりがちなんですが、あるジャンルにまとめられている中に意外といろいろな捉え方があって一枚岩じゃなくて、その一枚を辿っていくと意外なところにたどり着いて…っていうのはけっこうDJの選曲では役立つんじゃないかと思ってます。例えばこういう空気を電波ソングの連続性は桃井はるこさんの書いてた

sakana38.hatenablog.com

ハルヒまでは90年代の空気感が残ってた。そこまでは90年代と言っていいんじゃなかろうか(暴論)

みたいな部分につながるんじゃないかと勝手に思ってます。