えれキュン☆とろにくす vol.1というイベントで選曲したときの考えのメモです。
考えを書くのは自分の役に立つし、他の人にも、少なくともイベント主催で一緒に大塚のイベントもやってるすが藁さんには役立つかなと思って書いておきます。
「プロパガンダ」が(なんとなくの)テーマ
最初「プロパガンダ」をテーマにしようとしてました。Radioactivityから始まってるのはその名残りです。最初はもっと殺伐とした雰囲気にしようと思っていて、具体的にはマトリックスの主題歌のNavrasとかを流そうかなと思ってました。
というのも、マトリックスのレッドピルの話はよく(陰謀論的な文脈も含めて良くも悪くも)「真実を知りたいのか、それとも幻想の中で暮らすか」といった例え話として使われるらしいからという理由です。こちらから。
赤い薬と青い薬(あかいくすりとあおいくすり、英: red pill and blue pill)とは、安定した生活を失ったり人生が根底から覆るとしても真実を知りたいのか、満ち足りた、しかしなにも知らない状態であり続けたいかの二択を指して言う言葉である。1999年の映画『マトリックス』に由来していて、前者が赤い薬、後者が青い薬を飲むことに比せられている。レッドピル、ブルーピルともいう。
という話が以下の「陰謀論」の特集にそういう話が書いていました。
あとはキングギドラの「真実のウイルス」も候補に挙がっていて、「妨害電波」という歌詞もあって、PVもナウシカやAKIRAみたいな閉塞感ある感じでかっこいいなと。
近いBPMで「でぢたる☆でぃすこ feat. ななひら」で「ここはある意味ストリート」って言葉に別の意味を持たせて、一般的な電波ソングに回帰する…といった展開も考えてました。
ただ実際やってて、みんな楽しいイベントとして来てるのに、急にこれ始まったら怖いし「笑える電波ソング」でも無くなってしまうなと思ってやめました。赤い薬と青い薬の両方ともアップデートの無い硬い世界観で、もう少し柔らかい雰囲気を提示したいなと。
選曲の解説
というわけで、Radioactivityでプロパガンダの主題を出して、パスピエの「電波ジャック」でニューウェイブ的な雰囲気のシンセでなんとなく雰囲気を保ちつつ、でんぱ組.incでちょっとプロテストソング的な雰囲気もある(この手の曲では珍しい)曲を出しました。後半は「プロパガンダ」のイメージを拡大解釈してアイドルのコール曲や掛け声のある曲を流して、その掛け声のやり方も曲によって徐々に変化させていくようにしています。
また、実は最初のThe Conet Projectの「tcp d1 1 the swedish rhapsody irdial」やパスピエの曲は、テーマを伝えてChatGPTのo3モデルにリサーチしてもらったものです。Wikipediaがある程度で有名で、意外性のある曲を入れたいときにアイデアを広げるのに役立ちそうだと思いました。
正直イベントのジャンルを曲解しすぎで白ける危険も伴っていたのですが、一つ前の手番がギュラさんでしっかり盛り上げてくれる流れを作ってくれるはずだし、トリの前なので一回落ち着かせてから、後半のコール曲で盛り上げようと判断したつもりです。なのでその後も「しょーとサーキット DS」とか「ちゃっかり+ちょっくり+ななななー」とかIOSYSやI'veならもっと盛り上がる曲がありそうなラインを流してます。
「とんずらいおっと」は両国で、「雷火」はこのイベントで藤﨑さんが流してるのを聞いて良かった曲です。なんとなく走るイメージで繋げました。あとこれで書いたように、このあたりからグルーブ感ある感じにしたつもりです。
流さなかった曲
Uの「Special Day」をパスピエの「電波ジャック」のあとに流そうと思ってました…がもう少し不穏な空気感の歌詞にしたかったので泣く泣く外しました。女性ボーカルで声質もジュディマリのYUKI的(?)な感じで合ってたんじゃないかと。
電波ソング.incの「おやすみポラリスさよならパラレルワールド」。これも歌詞の不穏さとかっこよさがよかったんですが、あまりに他の曲を離れてしまって泣く泣く断念。この曲どう流せばいいんだ?
平沢進の「夢みる機械」。これも(自分にとっては)気持ち悪い曲でかっこいいんですが、このあとどう展開させるのかが解決せずに断念。
なぜライブパフォーマンスがナチス敬礼じみているのか、というのは大きな疑問点。
「支配」「熱狂的崇拝」「第二次世界大戦」或いは、何らかのテーマをこのパフォーマンスによってあらわそうとしているのは確かなようです
ぷるるん釘の「器官なき身体 Le corps sans organes」。元きどりっこのメンバーが参加しているプログレバンド(?)でこれもなかなか雰囲気出ると思ったんですが同様に断念。このアルバムには細江慎治さん(まにきゅあ団)や畑亜貴さんも参加していて、後から考えると電波ソングの歴史の前史って言えそうな内容です。
CHAIの「NEO KAWAII, K?」とかも呼びかけるタイプの曲で、Radioactivityからは繋げやすそうでしたが、トリ前で盛り上げたかったので、すぐ175程度の早めのBPMにしてしまうことにしました。
「ちゅんだーCHU♡意報」とかもBPM帯的には流したかったです。
System Of A Downの「Violent Pornography」。このバンドは言葉の感覚が電波ソングにも通じてると思うし、プロパガンダ的なテーマにはあっていたと思います。ただこれもやっぱりシリアスな意味になりすぎるのと、
SSSS.GRIDMAN主題歌の「UNION」とかも「目を醒ませ僕らの世界が何者かに侵略されてるぞ」が、先ほどのマトリックス的な世界観にも通じてる気がしました。
チャゲアスの「On Your Mark」。これも核で汚染された世界の話なので合ってる…けど前述の理由でやめました。
NG Headの「Mamaチャリ」と「オバチャーンのテーマ」とかでレゲエとかヒップホップっぽい雰囲気で終わる案もありました。単なる友達への内輪ネタになりそうなのでやめましたw