今私は小さな魚だけれど

ちょっぴり非日常な音楽を紹介するブログです

【気になる音楽】『電子楽器100年展』に行ってテルミン音楽を掘る

上野の国立博物館で行われていた『電子楽器100年展』に行ってみました。というのもチップチューンの先輩がシンセサイザーに詳しいので、勉強してみるとなにか役に立つんじゃないかと思ったからです。

ピコ太郎先輩も使ってると噂のTR-808も展示されていました。この展示で参考文献として挙がっていたのがこれです。

テルミンエーテル音楽と20世紀ロシアを生きた男

こちらの本も読みました。テルミンの作者のレフ・テルミンソ連時代の数奇な運命も面白いので、ぜひ読んでみてください。

テルミン―エーテル音楽と20世紀ロシアを生きた男

テルミン―エーテル音楽と20世紀ロシアを生きた男

本のタイトルで検索してヒットした記事を調査。今まで「BGM用の楽器」という印象だったのですが、演奏の動画を見るとすごい表現力のものもあったのでCDいくつか買いました。

kawasusu.hatenadiary.org

味噌煮込みうどんとテルミン電子音楽

テルミンを聴いたついでに、というわけでもないが、川崎弘二『日本の電子音楽』(愛育社)を読み始める。先日書店で見かけたコトを書いたら、かたじけなくも、著者から寄贈を受けたのだ。

こちらの本も気になります。

日本の電子音楽

日本の電子音楽

  • 作者:川崎 弘二
  • 出版社/メーカー: 愛育社
  • 発売日: 2009/03/01
  • メディア: 単行本

楽器博物館に行ってきました

blog.goo.ne.jp

1926年から1936年の日本における「機械音楽」としての初期電鳴楽器受容 ―特許文献と雑誌記事の分析に基づいてー

https://www.grad.osaka-geidai.ac.jp/app/graduation-work/doctoral-dissertation/culture-no19-thesis.pdf

博士論文。重そうなので後で…。

クララ=ロックモアの衝撃的テルミン演奏

popn.cafe.coocan.jp

さて、長い前置きでしたがここからが本題です。左上のジャケット写真はCD『ジ・アート・オブ・ザ・テルミン』(型番RBCE-1008,Rambling RECORDS)のものです。テルミン奏者として高い名声を得てテルミンエストロと呼ばれたクララ=ロックモアの演奏を堪能できる傑作です!1987年に出たらしいのですが、2001年7月4日に再発売されたみたいです。これもこの夏の映画の効果でしょう。新宿のヴァージンメガストアで店員さんに探してもらってやっと発見しました。うれしい限りです。※画像をクリックするとオンラインショップamazonの商品ページへリンクします。在庫があれば購入できます。

テルミンが本来持っている楽器としてポテンシャルを最大限に引き出せているという意味では、このCDは特別です。ロバート=モーグ博士の言葉を借りると「クララの芸術的技巧(演奏)にいまだかつて近づけたものは誰も存在していない」のです。それは一曲目からハッキリと違いがわかります。その違いとは何か。

クララ=ロックモアによるテルミンの音は演奏ではなく完全に「歌唱」となっています。音はテルミンから発せられているんですが、それはクララ=ロックモアの発声器官と化している。完全に一体化してます。オカルトチックですがテルミンがクララ=ロックモアに憑依して歌わせているといっても過言じゃないです。ビブラートにしろ強弱にしろ、同じ演奏は他の誰にも出来ないでしょう。身体的な問題でヴァイオリニストの道が途絶えてしまったとき、運命的にテルミンに出会ったクララ=ロックモアだからこその高い音楽性と表現力に演奏技術が三位一体となってこの作品に凝縮されています。

アート・オブ・テルミン

アート・オブ・テルミン

本の中でも紹介されていたやつですね。クララ・ロックモアの演奏動画を見つけてきました。

www.youtube.com

これやばいですね。

テルミンのCDはいくつか出ていますが、新しいところでは2000年に発売された「テレミン・ノワール」(“Theremin Noir”,November Music制作、日本での輸入および販売はM.A.レコーディングス販売/㈱マーキュリー)というのがあります。こちらはたぶんムーグ博士が作られたムーグ・テルミンによる演奏です。

クララ=ロックモアのCDと聞き比べると、クララ=ロックモアのあまりにも高い演奏技術が際立ってしまうのですが、しかしこちらのロブ=シュウィンマーによる演奏もテルミンの幅広い音楽性を感じさせます。ヒッチコック映画『マーニー』『めまい』などの曲も聴くことが出来ます。クララ=ロックモアのテルミンとは違ったアプローチですので、両方聴いてほしいです。このCDじゃなくてもかまいません。とりあえず前出のクララ=ロックモアの演奏とそれ以外のテルミンとをあわせて聴かないとテルミンという楽器の特異性は理解できないかもしれないとすら思いました。

逆にクララ=ロックモアの演奏だけを聞いて「これがテルミンだ」と思っていると、おそらく今後聴くことが出来るあらゆるテルミンの演奏がイメージとかけ離れてしまうかもしれません。それはたとえば寺内タケシの演奏だけを聴いて「これがギターサウンドだ」と思ってしまうようなものです(我ながらたとえが古いな)。テルミンの場合はジョン=ケージの影響も多々あると思うんですけど、実験音楽的な側面とか効果音としての使い方がクローズアップされ、マニアな楽器という印象もあります。しかしソロ楽器テルミンは高い音楽性も表現可能だということが、だんだん認知され始めてきているんだと思います。この夏の映画はそういう意味でもジャストなタイミングで公開されるんで、個人的に期待も大きいんです!

foggyな読書

foggykaoru.exblog.jp

この本を手にとったのは、も・ち・ろ・ん 『のだめカンタービレ』の影響です。

2000年刊。 その10年後にテルミンが登場する映画がつくられ、その演奏を依頼されることになろうとは、著者も予想だにしていなかったことでしょう。

テルミン エーテル音楽と20世紀ロシアを生きた男』竹内正実

touasa.cocolog-nifty.com

文章もテルミン奏者である著者の思い入れが感じられるような魅力的なもので、一気に最後まで読み通してしまいました。電子楽器テルミンに興味を引かれた方にぜひお勧めしたい本。

この本の中でも紹介のあった、テルミン氏の血縁であるテルミン奏者リディア・カヴィナによる『Music from the Ether: Original Works for Theremin』とテルミン誕生時代を代表する名テルミン奏者クララ・ロックモアによる『The Art Of The Theremin』も素敵です。ぱっと聞いた感じでは人の声に近い音色で、音が低くなってくると少しブザーっぽい響きになってきます。テルミン氏が開発していたというポリフォニック・テルミン、どんな音がしたのか聴いてみたかったな。

Music from the Ether: Original Works for Theremin

Music from the Ether: Original Works for Theremin

  • 発売日: 1999/06/22
  • メディア: MP3 ダウンロード

www.youtube.com

私もポリフォニック・テルミンのくだりは気になりました。YouTubeで検索したらこれ?

www.youtube.com

その他イベント

面白そうなのがいくつかあるみたいです。

ameblo.jp