なぜ電波ソングの中で、「(゚∀゚)ノキュンキュン!」という合いの手が定着したのかを調べてみました。
例えばあべにゅうぷろじぇくとの「ラブリー☆えんじぇる!!(2006年 快盗天使ツインエンジェル主題歌)」では、歌詞の中で絵文字付きで大胆に「キュンキュンハイハイ」が取り入れられています。
エンジェルネードで WAKUWAKU♪
(゚∀゚)ノ キュンキュン
キミのハートを盗めるのかな?
抱きしめられたら
(゚∀゚)ノ ハイハイ!
このまま奪われちゃうよ
この絵文字は2ちゃんねるなどの文章でも多用されていたため、おそらく「おそらくKOTOKOのさくらんぼキッスが由来で、それがスレの中で面白おかしく取り上げられ始め、電波ソングのステレオタイプとして定着した」ということでほぼ間違いないと思います。それを今回は確認してみます。
今となっては当たり前かもしれませんが、改めて考えると「キュンキュン」という合いの手を生み出すのはなかなか無い言語センスだと思います。「ハイハイ」だけなら思いつきそうなのですが。これが電波ソングを特徴づけるイノベーションだったことは想像に難くありません。
「電波ソング」という言葉が定着したきっかけとなった『笑える電波ソングを集めるガイドライン』のスレで最初に「(゚∀゚)ノキュンキュン!ヽ(゚∀゚)ハイハイ!」が使われてる箇所を探してみます。
まとめ
そそっかしい人のために、最初に結論を書いておきます。
- 初期のガイドライン板によると、キュンキュンという言葉は「さくらんぼキッス」の代名詞だった
- そのため、電波ソングというジャンルでの「(゚∀゚)ノキュンキュン!」はさくらんぼキッス由来のものでほぼ間違いないだろう
- ただ、「キュンキュン」という言葉自体はそれ以前からあった可能性がある(が調べられていない)
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ガイドライン板を最初から見てみる
「笑える電波ソングを集めるガイドライン」の最初のスレを見てみましょう。最初のスレはこちらです。
なんとハイハイについては>>5で既に出てきます。これはさくらんぼキッスですね。
5 :水先案名無い人:03/05/23 07:56 ID:klatafWB ハイ!ハイ! ≡ (゚∀゚ )スキスキスキ ヾ(゚∀゚)ノ ≡ ~( ~) ( ) ≡ ノ ノ < < 俺の中でなにかが弾けますタ 27 :水先案名無い人:03/05/23 08:24 ID:9NmwprSI >>5はどの歌なの? 30 :水先案名無い人:03/05/23 08:25 ID:GWwGlYCA >>27 ttp://210.136.179.175/main/colorful/dl/kiss.zip さくらんぼキッス ~爆発だも~ん~ だyo
21 :水先案名無い人:03/05/23 08:12 ID:AUxK1yYS キュンキュンは中毒性高いな。。。 俺の電波ソング初体験がこれだったよ@虹裏
この当時は「キュンキュン」がさくらんぼキッスの代名詞として使われていますね。ほぼ間違いないと思います。
82 :水先案名無い人:03/05/23 11:59 ID:qpswrERm もっといい電波のないー? キュンキュンもミコミコナースも聞きすぎて飽きてきた・・・・('A`)
87 :水先案名無い人:03/05/23 12:49 ID:yRftjSD2 >>83 別バージョンじゃないけど 同じスレでよく使われていたAA(元はクリスマスのAA | \ | ('A`) スキスキスキ / ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄ / 18:30 | \ | ('A`) スーキスキスキ / ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄ スーキスキスキ / 20:00 | \ | (゚∀゚)キュンキュン! スキスキス / ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄ キュンキュン!/
直接関係しなさそうなのですが、この「祭り板」というのは「JOY祭り」関連のスレのことでしょうか?日本で最初の炎上事件だそうです。
10 :水先案名無い人:03/05/23 07:59 ID:GMiAMlrz >>4 祭り板からミコミコナース 曲が終わったあとの静けさが嫌だから また再生してしまうよミコミコナース
あと、「【日本の将来】小学校からミコミコナース【もうだめぽ】」という「小学校から巫女みこナースが流れてきて唖然とした」というスレも見つけて笑いました。
ひとまず、2ちゃんねるのコミュニティの中では(゚∀゚)ノキュンキュン!の由来は「さくらんぼキッス」で間違いないようですね。
作詞・作曲についてのインタビューを探す
さくらんぼキッス自体が、他の楽曲の影響を受けて「キュンキュン」という擬音を使い始めた可能性もあります。
ただ、作詞のKOTOKOさんや、作曲のC,G MIXさん(I've Sound)のインタビューで「キュンキュン」について触れられている箇所が無いか探してみたのですが、今の所見つかっていません。なにか情報ある人はコメント頂けると嬉しいです。
「キュンキュン」という言葉は「さくらんぼキッス」以前にあったのか
Wikipediaに「キュンキュン」という項目があり、興味深い記述がありました。
メイド喫茶以外では、アダルトゲームの主題歌・挿入歌などで、歌詞やセリフ・合いの手として「キュンキュン」が多用される。
ホラーサスペンスゲーム『ひぐらしのなく頃に』のシナリオでもこの用語が使用された。
秋葉原のメイド喫茶「@ほ〜むカフェ」のメイドで構成されたアイドルグループ「完全メイド宣言」が「新人メイドは胸胸きゅんきゅ~ん」と言うタイトルの歌を発表している。
『ひぐらしのなく頃に』の初出は2002年のはずなので、さくらんぼキッスより以前に「キュンキュン」というセリフがあった可能性があります。Yahoo!知恵袋によると、「目明し編(2004年)」で何度か使われていたそうです。
「はろろ~ん」というのは「おはよう」みたいなもので、詩音風のあいさつです
例:“はろろ~ん、レナさんじゃないですか~”
ひぐらしのなく頃に22話
「きゅんきゅん☆」は(たぶん)アニメには出てきません。原作などの目明し編で日記に使われています。 詩音は背後から感じる気配(羽入?)を悟史だと思いこんだ時があり(アニメでは18話)、そのときに悟史について書かれた部分に使われました。
もし、「綿流し編(2002年)」で使われていた場合は「さくらんぼキッス(2003年)」より早い可能性があります。
はろろ~んは、簡単に言うと挨拶です
はろろ~んは、綿流し編で何回かと、他の話の登場シーンで言ってると思います
答えになってなくてすみません
「胸キュン」「キュンキュン」という言葉の初出についても質問があったのですが、「胸キュン」についてしか回答がありませんでした。
山下久美子の「赤道小町ドキッ(1982年)」およびイエロー・マジック・オーケストラの「君に、胸キュン。(1983年)」のヒットにより、広くつかわれるようになったようです。1983年、カネボウ化粧品の「レディ80 サンケーキ」のCMでキャッチコピーとして使用され、一般的な言葉になりました。
今後の展望: その他の擬音について
特に「メルヘンデビュー!」を最初に聞いた時、「んー」という擬音が使われていることに衝撃を受けました。これは我々[要出典]にとってはfripside NAO project!の「やっぱり世界はあたし☆れじぇんど!!」を連想させるもので、過去の電波ソングに対するARM氏のリスペクトが垣間見えます(妄想)。
同じように電波ソングによく使われる擬音語の影響関係を調べると面白いんじゃないかなと思っています。